講師とテーマ:

(1) 犬伏徹志先生(神奈川大学助教):免震建物の擁壁衝突を模擬する解析モデル
(2) 荻野伸行先生(熊谷組設計本部):大振幅地震動に対する免震建物の応答変位抑制技術

日時:平成30年9月21日
概要:

今回の研究会では、免震構造の限界挙動、特に大振幅地震動が入力したときの擁壁への衝突、および変位応答の抑制技術について取り上げた。1995年の阪神淡路大震災、2011年東日本大震災、2016年熊本地震などの大地震において免震建物はその性能を発揮してきている。ただ、将来発生が予測されている南海トラフの巨大地震や熊本地震のときに西原村で観測された長周期パルスなどに対する安全性を確保することも求められている。

犬伏先生からは、擁壁へ衝突するときの解析方法についての研究を紹介いただいた。擁壁部とその背後にある地盤の特性を評価し、モデル化するにはまだ課題も多いようだ。いずれにしても、免震建物の衝突に関する実大規模の実験が少ない。

荻野先生からは、免震建物の変形を抑制するにはオイルダンパーなどを増設することが有効ではあるものの、そうした場合レベル2の地震動入力に対して免震効果が十分ではなくなる。そこで、可変減衰型のオイルダンパーが開発されており、これらを使った解析結果も紹介してもらった。

レベル2地震動を上回るレベル3地震動に対して、免震建物の応答やクライテリアをどう考えて設定するのかは重要なテーマとなっている。建設地における地震危険度や建築主の意向なども踏まえつつ、最適な免震システムを構築していくことが求められている。

(文責:高山峯夫)